ネギと忍者と私
長ネギを買ったまでは良かったんです。
98円だったのでお得だったし。
抱っこ紐付けてるとなにかあった時にとっさに手が使えないと困るので、買い物袋(スーパーの袋じゃなくてトートバッグを使ってます)を肩に下げますよね。
袋からネギが、出るんです。
いくら真っ直ぐにしようとしても、ちょっと斜めにネギの緑の部分が飛び出すんです。
まあそこまではいいんです。
事件はエレベーターに乗る際に起きたんです。
子供抱えたまま階段はちょっときついので、エレベーターを使おうと乗り場に行ったら、ちょうどドアがあいていたのが目に入りました。
ドアが閉まる前にエレベーターに乗ろうと早足に中に入り、ボタンを押そうと振り返ったら、すぐ後ろにおじいちゃんがいた。誰も居ないと思ったのに。
忍者の末裔かってくらい、気配がなかったから気が付かなかった。
おもいっきり振り返った私のネギに、顔面アタックされてた。
私、びっくりして平謝りですよもう。
おじいちゃんも一瞬、自分に何が起きたのかわからないって顔をしてたけど、我に返って大丈夫大丈夫言いながら降りようとしてたので、「開」ボタンを押してドアを開けててあげた。つもりだった。
「閉」だった。。
おじいちゃん、はさまってた。。
私はもうドアに挟まれたおじいちゃんに切腹も辞さない勢いで謝った。
おじいちゃん、大丈夫大丈夫言ってたけど、目が、怒ってた。
おじいちゃんが伊賀の末裔とかだったら間違いなく私の命、終わってたと思う。
私もたまに、忍者になれるんじゃないかってくらい存在感がないみたいでエレベーターのドアに挟まれるので、気持ちは痛いほどわかります。
ドアに挟まれた痛みより、気づかれなかった存在感のなさみたいなのにちょっと悲しくなるんですよね。。
まあ、私も帰りの電車でパズドラやってたら乗り過ごしそうになって急いで降りようとして見事にドアに挟まれましたけどね。。
たぶんあれはおじいちゃんの奥義「忍法ドア挟み返しの術」が発動したにちがいない。