育ウーメンが行く

回旋異常のため帝王切開。しかも高齢出産。出産子育てで体験したことを書いていきます。

ベビーカーと公衆トイレ

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最近の公衆トイレはベビーカーも一緒に入れるように設計されているんですね。
 
子供がいなかった頃は、なんでドアから便器までこんなに距離があるんだろうと疑問だったんですが、ベビーカーを使用するようになり長年の謎がとけました。
 
用を足してる時、あんまりドアから自身が遠いと鍵がちゃんとかかっているか途中で心配になって、パンツ下ろしたまま中腰で鍵がかかってるか確認しに行ったりする事もあり落ち着かなかったんですが、今ではすごく助かってます。
 
無駄にトイレ広くして高級感出してるのかと思ってた事、全力で謝りたい。
ありがたやありがたや。
 
多機能トイレも使えるんだろうけど、滝のおトイレと聞き間違えて観光客が見に来ちゃうかもしれないし、30分で勝手に開錠しますって書いてあるのも、お腹を下しやすい私には結構なプレッシャーになる。
30分以内に出れなかったら、他人に見られたくない場面ランキングで確実に上位に食い込む場面が、公開されてしまうわけです。
リスキーすぎる。
 
 
まあそんな訳で、自分の行動範囲内の公衆トイレはチェック済みなので、今日も安心してベビーカーでお散歩。
 
買い物中、1時間前に食べた賞味期限切れのヨーグルトの乳酸菌たちが私の腸内環境を活発にしてきたので、手遅れにならないうちに最寄りのベビーカーの入れる公衆トイレに直行。
 
運良く誰もいない。
 
2つの個室のうち、ベビーカーが入れる広い方へ。
 
ええと、妊娠中から悩まされてるんですが、お恥ずかしながらですね、痔がね、あるわけですよ。。
妊娠中、母に「妊婦に便秘は大敵」とばかりに大量の芋が送られてきたんですが、一生懸命箱いっぱいの芋を消費してたら、食物繊維が多すぎたのか逆に便秘になり、一週間ほど私の体内で熟成された芋を解き放った瞬間、切れてしまったのが徐々に悪化して、今に至るわけでございます。
用をたす時に激痛がはしるので、あまり無理をさせられない。
 
 
そんなわけで、長期戦を覚悟していたら高齢の女性達のグループであろう話し声が外から聞こえてきた。
話し声から察するに、5.6人はいる。
 
だめだ。早く出なければ。
 
 
「みっちゃん、あんた押し車あるんだから、広いところ入んなさいな」
「そう?悪いわね〜。あら、誰か入ってるんじゃないかしら」
 
 
みたいな会話が聞こえて来たが、ドアは遠すぎてノックできないので、まだペーパーの出番ではないのに無駄にペーパーをカラカラして「さぼってないですよ」アピールをする。
カラカラしてしまったからには、それ相応の時間内に空け渡さねばならぬ。
 
プレッシャーがかかったせいか、私の腸内でまた乳酸菌たちが暴れはじめた。
全てを出し切りたい。
そして晴れてみっちゃんにこの個室を空け渡したい。
 
その思いとは裏腹に、無限かと思われるほどに戦いが終わらない。
 
 
「なかなか開かないし、みっちゃんの押し車私が見ててあげるから、狭い方に入ってらっしゃいな」
「悪いわね〜そうするわ」
 
 
私の努力も虚しく、みっちゃんは狭い方の個室に入ってしまわれたようだ。
みっちゃんは足が悪いのか、隣の個室から身体をゴンゴンぶつけながら便座に座る気配がする。
 
こっちの広い個室に入ってさえいれば!手すりが!手すりが付いていたのに…!
すみません、みっちゃん…!
でも、まだ私の戦いは続いてるから…!
 
 
 
隣の個室がみっちゃんの次の人を迎えたあたりで、戦いは終末を迎えた。
広い個室を占領してた犯人としては非常に外に出にくいけれど、これ以上罪を重ねる訳にはいかない。
もうペーパーカラカラアピールも通用しないだろう。
 
思いきって出たら、長蛇の列ができてました。
 
すみませんすみません言いながらそそくさとトイレを後にしようとしたその瞬間、みっちゃんであろう手押し車を押した年配の女性が我が子の乗ったベビーカーの前に立ちはだかった。
 
 
「あらかわいい〜。」
「ちっちゃいねぇ〜」
「こんな小さい子を虐待する人がいるんだものねぇ」
「最近多いわよね〜」
「近所づきあいとか最近はしないから事件になるまでわからないのよね~」
「大事に育ててあげてね〜」
 
 
おばあちゃんズに囲まれ、まるで私が虐待してるかのようなお声をいただきながら、公衆トイレはやっぱり気が抜けないな、と思ったのでした。